マーケティング手法を使った空室対策 4P分析

賃貸イメージ

さて、前回までで3C分析とSTP分析により、ターゲット(入居者)を絞ることができました。

次にすることは4P分析です。

4P分析

マーケティング戦略

4Pとはそれぞれ下記のとおりです。

  • Product(プロダクト:製品)
  • Price(プライス:価格)
  • Place(プレイス:流通)
  • Promotion(プロモーション:販売促進)

それでは、それぞれ解説していきたいと思います。

Product(プロダクト:製品)

どのような製品・サービスを提供するのか。

例えば、マンション、アパート、戸建がありますが、それぞれにファミリー用、カップル用、独身用で間取りが異なります。自分の物件は誰に使ってもらいやすいのか?間取りから大体決まってきますね。

Price(プライス:価格)

駅から遠いのか、工業地帯のベッドタウンとなっているのか、学園都市で学生向けなのか、さらに上記のproductと同じく、ファミリー、カップル、独身用で価格帯は異なります。

Place(プレイス:流通)

どのようにそのサービスや製品を届けるのか。

不動産賃貸業でいえば、仲介業者に頼むのか、直接大家が募集するのかなどの方法がありますね。

Promotion(プロモーション:販売促進)

そのサービス、製品をどのように販売促進するのか。つまり、どのようにお客さんに知ってもらうのか。さらに言い換えれば、どのように将来のお客さんとコミュニケーションを取るのかを考えます。

賃貸業であれば、これまでは仲介業者にお願いするしかありませんでした。しかし、ITが発達した今では、仲介業者がネットに掲載することはもちろん、大家が直接ネットを使って募集することも可能です。例えば、ウチコミ、ジモティーなどです。

7P分析

分析

3P分析は製品のマーケティングによく使われる手法ですが、サービス業ではさらに3Pを加えて考える方法(7P分析)もあります。

賃貸業の場合、サービス業の意味も大きいので、これらも同時に考えた方が良さそうです。

3Pはそれぞれ次のとおりです。

  • People(Personal)(ピープル:人)
  • Process(プロセス:提供する過程)
  • Physical Evidence(Physical Environment)(フィジカル・エヴィデンス(エンヴァイロンメンツ):物的証拠(物的環境))

それでは、それぞれの要素について解説していきます。

People(Personal):人

サービス品質の要素の1つとして「顧客」があります。

もしも、その地域で住む人たちのレベルが低く、ゴミが落ちていたり、草が生え放題で、街の美観が損なわれているとしたら、その地域の不動産価格は下落してしまうでしょう。

不動産の取引価格が低下すれば、高い家賃で貸すことは難しいですね。さらに、そのような地域では優良な店子を見つけ、住まわせることは困難でしょう。

このように考えると、賃貸業でも誰に貸すのか?ということは安定的に高い収入を得るためにはとても重要になります。

例えば、雰囲気のいいレストランの空気感を演出している一つの要素は、来店してくる客層のレベルが高いということが言えます。

Process:提供プロセス

サービス業は提供プロセスも付加価値を生む可能性があります。

例えば、鉄板焼きのお店でシェフが客の目の前で調理して、それがエンターテインメントとなり付加価値の一つとして提供できるという考え方です。

お客は見事な手さばきで料理される具材を見せられて、美味しさがいっそう引き立ちますね!

大きな意味での提供プロセスとしては、CRM(Customer Relationship Management: 顧客関係管理)や支払いなどの利用プロセスが対象となります。

支払い方法を多様化することで、顧客へのアプローチの幅が広がります。

賃貸業でも現金だけだと不便ですし、毎月の銀行振り込みも面倒ですね。

自動引き落としや、カード決済などのサービスも取り入れた方が顧客にとってはメリットが大きいので、喜ばれます。

Physical Evidence(Physical Environment):物的証拠(物的環境)

サービス業は提供しているものが目に見えないとか、消えてなくなるといった特性があります。例えば、マッサージとか、美容院もそうですね。

目に見えないとか、消えてなくなるサービスには物的証拠や環境が重要だという考え方です。

別の例えとしては、予備校の先生の指導力は目に見えませんから、その品質を保証するために、合格者数を壁に張り出して宣伝に使っていますね。

まとめ

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いかがでしたでしょうか。不動産業界は今でもFAXを多用しているような業界で、IT技術の活用もあまり進んでいません。ということは、昔ながらの大家さんの多くはマーケティング理論を使っている人はほとんど居ないのかもしれません。

マーケティング理論を理解していないということは、プロダクト思考となっていて、既にある物件の強みを伸ばしたり、弱みを補ったりすることには長けているとは言えません。

そうなると、昔ながらの大家さんは物件の付加価値を上げることができず、空室を埋めるために家賃をどんどん下げる価格競争に入っていると思われます。

特に地方の昔ながらの大家さんではその傾向が顕著のようです。

大家自らがマーケティングを勉強し、考えて、よりよい借家サービスを提供できるようになれば、有効な空室対策になるはずです。

みなさん、お互いに頑張りましょうね!

次の機会にはさらに、SIPS分析、SWOT分析とクロスSWOT分析についても考えてみたいと思います。

 

本日も最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

それでは、また。

 

参考ウェブサイトはこちらです。

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