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分電盤を交換する手順
DIYで自宅の分電盤を交換するときの大まかな流れは次のとおりです。
(注意)分電盤の交換や電気工事には電気工事士免許が必要ですので、無資格者は施工できません。
- 電力会社に電話をします。
- 電気工事会社(おそらくグループ会社)に電話するように言われます。
- 電気工事の申請をします。
- 書類が送られてくるので、必要事項を記入し、提出します。
- 工事内容の審査が通れば、電気工事をしても大丈夫です。
- 工事内容の審査にかかる時間ははだいたい1週間くらいです。審査で問題がなければ、電話がかかってきます。そのときに完成予定日を質問されます。これは工事完了後の保安検査の手配のためです。
- 気合と根性で工事を終えます(笑)。
- 工事完了後の保安検査を受けます。
分電盤を購入するときのポイント
分電盤を購入するときには注意が必要です。
分電盤はリミッタースペースの有無を指定して購入する必要があります。カタログにはALと記載されていることもあります。”ALあり”、”ALなし”とかいった感じです。
電気工事を施工する地域の各電力会社によって、リミッタースペース付きか否かを選択する必要があります。各社のリミッタースペースの有無については、次の通りです。購入時には注意してください。
ここで、リミッターとは電力会社との契約に基づいて設置する、契約用のブレーカです。配線を保護する機能はありません。
<リミッタースペース有りの電力会社>
北海道・東北・東京・中部・北陸・九州
<リミッタースペース無しの電力会社>
関西・中国・四国・沖縄
ちなみに、私が購入した分電盤はリミッタースペースなしのこちら↓です。
電力会社に工事の内容を相談する
電力会社に家の分電盤を交換したい旨の相談をすると、電気工事を仕切っている会社の連絡先を教えてもらえます。
中国電力の場合は中国電力ネットワークの問い合わせ先を教えてもらいました。
教えてもらった電話番号に電話して、同じく自宅の電気工事をしたい旨を相談します。
すると、所定の申込書で申請をする必要があるとのことで、必要書類を送ってくれることになりました。
電気工事の申請書を提出する
著者の物件の地域は中国電力管内で、工事の申請書フォーマットはこんな感じです。
必要事項を記入します。
わからない項目は、書類を送ってくれた電気工事会社に電話すると、とても親切に教えてくれます。
このとき、工事内容の審査のため、いくつかの書類の提出が求められることがあります。著者の場合は電気配線図面、工事現場周辺の地図(GoogleマップでOK)、電気工事士免許のコピーでした。
著者はCADソフトなんて持っていないので、間取り図をエクセルを駆使して描いた後、それに電気配線を記入して申請しました。既存の設備からの変更箇所は赤色で示す必要があるので、コンビニでカラー印刷しました。一枚100円です。(便利だけど、高いよねぇ。)
電気工事の施工
気合と根性で、電気工事を施工します。
このあたりの作業の様子は別の記事でアップしたいと思います。
電気保安協会の完成検査を受ける
申請書類にも工事の完了日を記入するのですが、仮に工事が遅れてしまった場合は、忘れずに連絡しましょう。
著者は工事の完了が遅れてしまって、2度も検査日を変更してもらいました。ご対応いただいた窓口の方、また、検査員の方すみませんでした。
施工業者(今回は私)から電気工事会社へ連絡が入ると、電気工事会社は電気保安協会に検査を依頼します。
検査に合格したら、問題なく電気が使用できます。
検査の予約した日時にきちんと検査員の人は現れました。
検査時間は約30分くらいです。
検査内容は分電盤周りの配線の確認とコンセント類の電圧の確認そして、漏電と絶縁抵抗の測定です。
電気を安全に使うためには絶対に完成検査を受けなければ行けません。
しかも、この検査は無料でやってもらえます。ありがたいです。
検査結果は当日、その場で教えてもらえます。
検査員の人はとても親切に対応してくれました。
が、・・・しかし・・・、
検査結果は問題ありでした。
そう、不合格です。
理由は絶縁抵抗値が高すぎるのです。
接地線は、既存のアース線を利用していたのですが・・・。
もともと絶縁抵抗値が高かったようです。
いや、もしかしたら、アース線が接地棒に接続されていなかったのかもしれません・・・。
私の確認不足でした。
もしかしたら、と思って、保険のつもりで短い接地棒を購入して地中に埋めていたのですが、それでも不十分だったようです。
接地工事の手直し
ちなみに、普通の住居での接地工事はD種接地工事が求められます。
通常、D種接地工事では、0.5秒以内に遮断できる漏電遮断器がついた分電盤の場合、500Ω以下の抵抗値であれば合格です。(もし、漏電遮断器がついていない分電盤だと、100Ω以下の抵抗値で合格です。)
著者の物件は漏電遮断器付きの分電盤を購入していたので、500Ω以下が合格ラインです。
絶縁抵抗の測定結果はというと、簡易計測で830Ωでした。
この値から考えると、もともとのアース線の抵抗値が怪しまれます。きっと、地中に埋められていなかったのではないかと思ってしまいます。
さて、不合格通知をくらってしまったので、追加で接地棒を手配して、接地棒の設置工事を行いました。
たまたま、水道管をほじくり返していたときに、給湯器用の接地棒があったので、それと並列に接続して1.5mほど間隔を開けて地中に埋めました。
接地棒は60cmの深さの土を掘り返します。使った道具は園芸用スコップです(笑)。
なぜこんなに深く掘るのかと言うと、理想は地層の粘土層まで届かせたいからです。(粘土層は水分を多く含みますので、抵抗値が低くなります。)
水道管が埋まっていたのは家の北側の庭です。この場所は接地棒を埋め込むのには最適でした。
ここは北側でいつも家の影になっているので、普段から土に適度な湿り気があるため、抵抗値を低く抑えるのに役立ちます。
接地工事が終わって、接地棒を埋めて、完成です。
後日、接地抵抗値が不合格である旨の検査結果が送られてきました。
再検査を希望する人は、検査してもらえるようです。特に希望しに人は、手直しをした日付を記入してはがきを送り返せば、工事は終了です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
自宅の分電盤(ブレーカ)の取り替え工事を自分でする場合の流れとポイントがご理解いただけたと思います。
第二種電気工事士の免許はそんなに難しい試験ではありませんでしたので、DIYが好きな人は持っておくと、とてもコスパのいい資格になります。
電気工事業者にこれらの工事を頼んだら、おそらく100万円以上を請求されることと思います。
施工に関しては現在では、youtubeやインターネットでいくらでも情報が手に入りますので、分からないことは調べながらコツコツと作業をしていくと問題ないと思います。
ただし、DIYは自己責任ですので、火災など起こさないようにしっかりと勉強したのちに施工することをオススメします。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
それでは、また。
おまけ
電気工事に使用した工具と材料のまとめ
検電器 絶対に持っておきたい検査機器です。小さいので、ポケットに入れて携帯できます。作業前には必ず検電を行います。音と光で教えてくれるので、とても便利です。
ストリッパー 電工ナイフでは家一軒分の配線の被覆を剥くことは作業効率の面から無理です。古い家の配線を大きく変更する際には必須の工具です。
600v CVTケーブル 50Aの配電盤を取り付けるため、電柱からメーターを介して屋内に電力を引き込む為の配線を変更しました。余裕を持たせて許容電流86Aのものを選択しています。
VVFケーブル 2芯 1500Wの通常のコンセントへ電力を共有するために通常用いられるケーブルです。
VVFケーブル 3芯 階段の電灯などの3路回路を作るときに使ったりします。
VVFケーブル 2.0mm 200Vベースで電力を供給したい時に使います。
VVFケーブル 2.0mm 3芯 200Vで作動するエアコンやHIクッキングヒーターへの電力供給に使います。
大変参考にさせていただいております。
電気工事士(2種)を保持しています。
管轄の東京電力に電話したら
エナジーパートナーを紹介され、
ここでは、登録電気工事店がないと申請できないとの事。
個人ではできないと回答され、申込書までたどり着けません。
どういうことでしょうか。
kubo様
コメントをいただきまして有り難うございます。
お返事が遅くなり、大変申し訳ありませんでした。
初めにお答えしますと、すみません。分かりません。
さて、私が電力会社に相談した際には、はじめから
「私は電気工事士です。自宅の電気工事をしたい。分電盤を交換したいのですが、何か手続きが必要ですか?」
と相談しました。
本文に書いたように地域を仕切っている工事会社から申請書類を入手した際、渡された書類には工事店を記入する欄がありました。
そこで、申請書類の記入方法を質問すると、工事店名を記入する欄には個人名と電気工事士免許の番号を記入すれば良い。
とのことでしたので、言われた通りに記入して提出しましたら、すんなり申請が通りました。
今思えば、運が良かったのかもしれません。
その一方で、おそらくkuboさんもご自宅の電気工事をされたいと思っていらっしゃると思います。
ご自宅(電気工事を事業として行うのではない)であれば、法律上は登録電気工事店しか申請できないということはないと思うのですが、
地域によって、法律の運用が異なるのでしょうか。
でも、私だと、「国家資格を持っているのに、なぜ工事ができないのか?」とその窓口担当の人に説明を求めてしまうと思います。
(おそらく担当者の認識が、慣例的に「登録電気工事店しか申請させない」と考えていると思われるので)
はっきりしたことが言えず、申し訳ありません。。。
うまく申請までたどり着けますようにお祈りいたします。
また何かありましたら、コメントいただけますと幸いです。