人生の中で金額が大きな買い物の一つである住宅購入の場面では、絶対に失敗したくないですね。
そのためには、物件の良し悪しを慎重に、そして、確実に判断したいですよね。
その一方で、世の中には情報が沢山ありすぎて、内見の限られた時間の中で、いったいどんなポイントをチェックすればいいのか、具体的によくわからないという人も多いかと思います。
せっかく購入した住宅で後から多額の修繕費が必要になったとか、実は災害の多い地域だったなんて、絶対に嫌ですよね。
この記事では、不動産投資家として、数千件の物件の良し悪しを検討してきた私が投資用戸建住宅を購入する際に気をつけていること、特に中古戸建住宅の購入に失敗しないためのチェック項目をまとめました。
また、なぜそれらの項目をチェックする必要があるのかを詳しく説明しています。
この記事を読むことで、自宅用、投資物件用に関わらず、戸建住宅の購入時に物件の良し悪しが判断できるようになり、絶対に失敗しないためのポイントが理解できるようになります。
その結果、自信を持って物件を購入する判断ができるようになり、結果として、何百万円も得をすると思いますので、どうか最後まで読んでみてください。
中古住宅購入に失敗しないためのチェックポイント
結論から言いますと、下記の13項目が重要チェックポイントです。
- 事件、事故
- ハザードマップ
- 再建築が可能かどうか
- 基礎の状態
- 雨漏り、屋根の状態
- シロアリ被害
- 擁壁(ようへき)
- 床の傾き3/1000以下
- 歪み
- 床下の状態
- 水道管
- 駐車場
- 駅から2km

それでは、一つずつ解説していきます。
事件、事故
これはもう明らかだと思いますが、殺人事件、不審死、自殺の現場となった物件に住みたいと思う人はいませんよね。将来何かの事情で自宅を賃貸に出す場合にも、このような事件や事故は心理的瑕疵としてマイナスになるので、絶対に避けたいところです。
まずはインターネットで調べます。「大島てる」と検索してください。炎のマークがついている物件は事件、事故の物件です。
「大島てる」のサイトは詳細に情報を追跡していますが、それでも万全ではないかもしれません。
その対策としては、もし幸運にも近所の人と話ができそうだったら、勇気を出して話をしてみます。
また、近所の人と話してみて、もしもその人がちょっと変な人だったら、これも同時にチェックできるので、一石二鳥です。
物件購入後、引っ越した後になって、隣人が変人だった。なんてことも避けたいですよね。
再建築が可能かどうか
特に接道に注意します。接道とは、物件にどんな道がつながっているか?です。道とつながっていない物件は当然ですが、物件としての価値が無いのも同じです。
4m以上の幅の道に2m以上物件の敷地が接していなければ、再建築が出来ません。再建築不可の物件は安く売られていることが多いのですが、よほどのことがない限り私は購入しません。
さらに、旗竿地(はたさおち)の場合、持ち分がどれくらいあるのかをチェックします。
自分の家にたどり着くために通行料を払わなくてはならない。なんてことは、ブラックジョークでしかありません・・・。
ハザードマップ
「市区町村名+ハザードマップ」のキーワードでググってください。
市区町村では必ずハザードマップを作成しているので、物件の所在地が問題ないことを確認してください。
津波の影響を受けるか?
土砂崩れの心配はないか?
洪水の被害は?
など、ハザードマップは行政が多額の費用をかけて作成した重要な情報なので、活用しない手はありません。もし、ハザードマップに何も載っていなくて、被災してしまったら・・・、という考えは不要です。(心配しすぎです。)
基礎の状態
基礎のコンクリートが割れていないかチェックします。
基礎のコンクリートが割れていたら、どれくらいの幅で割れているのかをチェックしましょう。
シャープペンシルの芯、およそ0.5mmくらいの幅なら、問題ないですが、それよりも広い幅になると要注意です。
もしも、ヒビが地面と平行に横方向に伸びていたら、購入は控えましょう。致命的な欠陥があると思われます。
ここで言う致命的な欠陥とは、家の構造的な欠陥や地盤沈下などを指します。
雨漏り、屋根、外壁の状態
雨漏りは家屋の傷みに直結しますから、絶対にチェックしましょう。
天井に雨によるシミがないか?
屋根は壊れていないか?屋根の状態を調べるのはなかなか難しいですが、家から少し離れて、屋根の状態を眺めて、可能な限り点検しましょう。
もし、可能であれば、ドローンとかを利用して空撮するのも一つの方法ですね。
外壁塗装のチョーキング現象(手を当てると、手が白くなる)はないか?コーキング材の劣化状況をかくにんします。
シロアリ被害
中古物件の場合、シロアリ被害もよくある話です。床下を除いて躯体を確認しましょう。
また、基礎部分のひび割れを点検するときには、同時に蟻道(ぎどう)と言われるシロアリの歩いた跡がないか確認しましょう。蟻道は周辺のコンクリートと違い土のついた跡があるので、すぐに分かると思います。周囲のコンクリートの様子と異なっている場合は要注意です。
擁壁(ようへき)
擁壁は雛壇(ひなだん)になった敷地によくみられるコンクリートや石を積んでできた壁です。これがあるとちょっと厄介です。
擁壁は持ち主がきちんと維持管理しなければなりません。水抜きの穴がきちんと設けられていないものも散見されます。
きちんと施工されていない擁壁の場合、擁壁の内側に溜まった水がきちんと抜けず、最悪の場合、倒壊します。
私は擁壁のある物件の場合、2m以上の擁壁がある場合には購入対象から除外します。
床の傾き3/1000以下
床の傾きの有無についても調べましょう。水準器は大きなものの方が精度が高くなります。15cmの長さのものよりも、1mのものの方が正確に傾きを測定できます。
実際には1mの水準器を持ち持ち運ぶことは不可能なので、簡易的に計測する場合、スマホのアプリが便利です。
とはいえ、高額な商品を購入するのですから、より精度の高い水準器を持っていっても損はしないと思います。
3/1000、つまり、1mにつき3mm以上の傾きがあると、人体に不調が生じますので、床の傾きが3/1000以上の物件は購入対象から外しましょう。
国土交通省のサイトでは「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」として、情報を開示していますので、参考までにリンクを貼っておきます。
歪み
家の歪みを知るのに一番良い方法は、窓のサッシュを開け閉めして見ることです。
雨戸、引き戸や扉があったら、とにかく全て開け閉めしてみてください。
スムーズに開け閉めできれば、問題ありません。引っかかったり、扉が重く感じるときには家に歪みが生じている可能性があるので、購入は控えましょう。
床下の状態
床下の状態を基礎に空いている風を通す穴から覗くか、床下点検行があれば、必ず覗いてみてください。
この時、土が湿っていないかを確認してください。
土が湿っていたら、床下の湿気が抜けないので、床が早い時期に腐ってしまいます。
また、床下に湿気が溜まりやすい原因として、家の周りの土地よりも床下の地面が低いこともあります。
床下の土が湿っているような物件は私は購入しません。
水道管
現在の水道管の素材は硬質塩ビ管になっています。
サビ水や老朽化による老衰や水道管の破裂の対策としても硬質塩ビ管であることが望ましいです。
硬質塩ビ管かどうかを判断するには、水道メーターの上流と下流側に磁石を当てて確かめます。
駐車場
都心部では不要の場合も多いです。
地方の場合、大人一人に車一台が当たり前だと思います。地方の物件であれば、駐車場は必須です。出来れば、2台以上の物件を購入したいものです。
駅から2km
生活の利便性を考えた場合、駅から近いに越したことはありません。
商店街、スーパー、郵便局や銀行などの生活インフラは、やはり駅に近い土地にありますし、将来に渡り、資産価値の下落を抑える意味でも駅から2km以上の物件を購入する際にはよく考えましょう。
また、賃貸物件として購入する場合には、もちろん駅に近い方が人気は高いです。反対に駅から遠く離れたような野中の一軒家は人気がありませんので、投資家目線で言えば、購入対象から除外します。
不動産投資家が物件を調査するときに持参する七つ道具

それでは、次に不動産投資家が物件を調査するときに持参する七つ道具をお教えします。
- スマホ
- メジャー(スケール)5m以上
- 磁石
- 打診棒
- スリッパ
- 軍手
- 汚れてもいい服装
それぞれ解説しますと、
スマホ
物件の写真、ビデオの撮影をしたり、不動産仲介業者とのやりとりをメモしたり、気づいたことをボイスレコーダーで録音したり、いろんなことを記録するのに便利です。
メジャー(スケール)
メジャーは5m以上のものを用意しましょう。100円ショップのもので十分です。再建築可能かどうかの判断をするのに不動産仲介業者の書類の内容が間違いないか確認するために使います。
自分で必ず計測します。
磁石
水道管が鉄管か?硬質塩ビ管か?を判断するのに使います。
水道メーターのフタを開けて、止め弁の上流と下流それぞれに磁石を近づけてください。磁石がくっついたら、鉄管なので、将来上水道管を硬質塩ビ管に交換する工事が必要になるかもしれません。
ちなみに、磁石を使わなくても鉄管かどうかを判断する目安があります。それは、追い焚き機能のついた浴槽かどうかです。追い焚き機能付きの浴槽の場合、硬質塩ビ管である場合が多いです。
打診棒
鉄の玉が先についた棒です。この棒をコンクリートやタイルの上を転がして、空洞や割れ、浮き上がりを音で判断します。
打診棒という名前ですが、実際は、転がして使います。コンクリートやタイルを叩きません。
スリッパ
物件は結構汚れています。
また、物件の中にはスリッパが用意されているところもありますが、何人もの人が履いたスリッパを履くのは私は好まないので、自分のスリッパを持参します。
汚れても良い服装
上記の項目をチェックしようとすると、屋根裏を見たり、床下を点検したりするので、綺麗な洋服では汚れてしまいます。
高額な商品を購入するので、隅々まで点検して、見落としのないようにしたいものです。
服の汚れを気にして物件のチェックがおろそかになってしまわないようにします。
軍手
これも案外、中古物件は汚れているので、扉や、点検公の開け閉めの際に、手が汚れるのを嫌って物件のチェックがおろそかにならないようにします。
まとめ

以上、中古物件を購入する際に失敗しないチェック項目をまとめましたが、いかがだったでしょうか。
この記事の内容を実行すれば、ハズレ物件を購入する確率はグッと減少し、自宅の購入でも投資家の目線で物件を購入することで、満足度の高い物件を購入することができると思います。
また、内見の時、私がこれらのポイントをチェックしていると、案内してくれる不動産業者の人は、
「お客様のお仕事は建築関係ですか?」
と必ず聞いてきますので、不動産の仲介業者にだまされて、ひどい物件をつかまされる。なんていう可能性もずっと低くなりますよ。
もし、何か不明な点や、もう少し詳しく知りたいという方は記事下のフォームから是非コメントをいただければと思います。
それでは、ご自分の理想の物件に巡り会えると良いですね。応援しています。
次回予告。
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